「ついカッとなってやった」という言葉をニュースで聞いたことはないでしょうか。
何があったかというと脅迫や暴行、最悪の場合は殺人です。
人生を棒に振るとまでいかなくても、トラブルを起こしている人をたまに見かけます。
路上や店、駅でケンカをしている人を見かけたことはないでしょうか。
最近ではたくさんの動画がアップロードされ、かなりの数が再生されています。
ほとんどの人は、このようなトラブルを起こすことはないですが、それは怒りを抑え込んでいるからではないでしょうか。
自身の社会的な立場を守るために我慢をしているけど、本当は相当イライラして爆発しそうになる。
このような状態に当てはまる人は、結構いるのではないかと思っています。
もし当てはまるのであれば注意が必要です。
自分はトラブルを起こしたりしないと思っていても、何かのきっかけで爆発する可能性があります。
怒りをコントロールするには技術が必要です。
日常的にイライラしている人、爆発しそうになったことがある人。
技術を身につけ、怒りの感情をコントロールできるようになってみませんか。
怒りに即効性のある対処療法
1.怒りのピークを越えるのを待つ
怒りのピークは長くても6秒と言われています。
そのためイラっとした瞬間、6秒経過することで衝動的な行動を抑えることができます。
逆に6秒待つことができないと、人や物に当たってしまうことになります。
とにかく6秒だけ何とか怒らないようにしてください。
待っている間は深呼吸をしたり、カウントダウンしたりするのもありです。
怒りそうになったら、「とりあえず6秒だけ待つ」と覚えてください。
怒りを爆発させたら負けです。
2.怒りから別の物に注意をそらす
個人的に最も何とかしたいと思っていることが、怒りの反芻です。
過去にあった出来事を思い出してイライラすることがあります。
これがストレスの原因となっていました。
思い出し怒りへの対処として、関係のないことに意識を向ける方法が有効です。
具体的には身の回りにある物を注意深く観察することです。
形・色・大きさなど、細かく観察していくことで怒りから意識をそらすことができます。
私の場合は、腕につけた輪ゴムをパチンと鳴らすことで意識をそらしています。
イライラすることを考えていると気づいたときは、とにかく怒りから意識をそらしてください。
3.怒りの原因から離れる
相手がいる場面で怒りを感じたら、できるだけ早くその場を離れてください。
負けた気がして嫌だから対抗するとは考えないようにしましょう。
特にケンカに発展しそうなトラブルの場合こそ逃げるべきです。
全面対決してはいけません。
最悪の場合、社会的な立場を失うことになります。
逃げることを、負けや恥だと感じる人もいるかと思います。
そんなことはありません、逃げるが勝ちです。
逃げることで、自分自身を守ることができるのです。
重要なことは勝ち負けではなく、怒りをコントロールすることです。
怒りの原因を分析する
自分の中に「~べき」「~べきではない」というルールはないでしょうか。
例えば恋人がいる人は
・異性の友人と付き合うべきではない
・異性の友人も大切にすべき
といったルールです。
この2つの考えは、相反するため衝突の原因となります。
私の場合は
・時間や約束は必ず守るべき
・公共機関ではマナーを守るべき
といったルールがあり、これらが守れない人を見るとイライラします。
怒りを感じたとき、自分ルールが原因になっていないか振り返ってみてください。
振り返るときのポイントは
・イライラしないで済むにはどうすればよかったか
・自分ルールをどうすればよいか
の二点です。
そして自分ルールをゆるくして、許容する範囲を広げていきましょう。
自分の価値観を書き換えていくことで、怒りを少なくすることができます。
自分ルールと世間の常識は別物だと考える
「~べき」「~べきではない」といった自分ルールは、自分の中だけのものです。
世間の常識ではありません。
この2つを同じだと考えるようになると、トラブルが発生しやすくなります。
私の職場には、新人が就業開始時間ギリギリに出社してくることに対して不満を漏らす人がいます。
不満の原因は、その人に「新人は早く出社するべき」という自分ルールがあるからです。
別に就業規則になっているわけではありません。
この不満が原因で、
・新人としての心構えがなっていない、社会をなめている
・会社の規則を守っているのに文句を言ってくるのはおかしい
といった、意見の違いによる衝突が起きたことがあります。
別の例では、コンビニなどの店員に対するものがあります。
「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」
などのあいさつがないだけで、怒り出す人がいます。
自分ルールは厄介です。
正しいことだと考えているため、世間も同じだろうと考えがちです。
そのため、考え方を変えることや違いを受け入れることが難しくなります。
しかし人は、育った環境や習慣が異なるため違いがあるのは当然です。
違いを受け入れるためには、自分の価値観や考え方を上書きする必要があります。
ですが、そう簡単に変えられるものではありません。
ここは少しずつ、じっくり取り組んでいきましょう。
変えられないことについては考えない
生きていれば、つらい経験をすることがあります。
・人間関係のトラブル
・仕事での大失敗
・事件や事故
・災害
など、自責他責問わず起こり得ます。
つらい経験は、時間が経っても何かの拍子に思い出して怒りを感じることもあります。
問題は、怒りにとらわれると有意義に過ごすことができなくなることです。
怒っている状態では、集中して物事に取り組むことはできません。
そのため、無意味な怒りは手放す必要があります。
過去の出来事を変えることはできません。
そのため、過去の出来事に対する怒りはすぐに手放すべきです。
しかし、怒りは過去に限らず現在進行形の場合もあります。
そして、怒りの感情をすべて捨てるべきではありません。
怒るべき場面では怒る必要があります。
そこで、基準を持つことで手放すべき怒りか判断することができるようになります。
基準は
・変えることができるか、変えることができないか
・重要である、重要ではない
の2つです。
「変えられる/重要である」であれば、全力で変える努力をするべきです。
「変えられない/重要でない」であれば、手放したほうがいいでしょう。
基準をもとに、どうするべきか判断するようにしましょう。
他人へ見返りを求めない、期待をしない
多くの人は行動に対して見返りを求めます。
労働による対価として給料、代金の支払いと商品の受け取りなど。
しかし、プライベートでも見返りを期待していると怒りを生む原因となります。
相手に何かをしてあげたら、自分にも何かしてもらえる。
必ずしもそうなるとは限りません。
ですが期待をしていると、裏切られたと感じて怒りが生まれてきます。
「どうして〇〇してくれないのだ!」という形で。
他人から見れば、勝手に期待されて勝手に怒られているような状態です。
他人に対して期待をすると、結果との差が怒りを生む原因となります。
そのため、他人への期待値を下げることで怒りを抑えることができます。
しかしこれができないと、あらゆる場面でイライラしがちになります。
お店に入ったとき、
・店員の「いらっしゃいませ」のあいさつが無かった
・レジ対応のとき愛想が悪かった
といってイライラするのは期待しすぎているからです。
そもそも他人はあなたのものではありません。
コントロールすることはできないのです。
であれば、自分の思うように動いてくれるはずだと考えることは無意味です。
無意味なことに期待して、怒りを作り出すような思考は早々に捨ててしまいましょう。
SNSや動画投稿サイトと距離をとる
インターネットでは、「炎上」と呼ばれる投稿がされることがあります。
これは大勢の人の反感を買い、怒りをぶつけられている状態のことを指します。
炎上している投稿を見ることは、怒りを助長させることにつながります。
炎上している動画や投稿を見ても得はしません。
むしろ怒りを誘発する分、損をしているといっても過言ではありません。
これらは厄介なことに閲覧数が多く、トレンドやランキングに載ることがあります。
そのため目につきやすくなるため、意識して見ないようにする必要があります。
ブロック機能やフィルタリング機能を積極的に使いましょう。
不快な情報に自ら近づく必要はありません。
この投稿は不愉快だと感じたらすぐに距離をとるようにしましょう。
どうしても気になってしまう、という人は思い切ってやめてしまうのも手です。
イライラを抑える薬を利用してみる
薬を使うという方法もあります。
万人に効果があるわけではないですが、試してみる価値はあります。

まとめ
・怒りそうになったらとにかく6秒待つ
・注意を怒りからそらす
・怒りから逃げる
・「~べき」「~べきではない」といった自分ルールを見直す
・自分の常識と世間の常識は違うもの
・変えられないことについて考えない
・他人への期待を捨てる、見返りを求めない
・SNSや動画投稿サイトとは適度に距離をとる
最後に
便利な世の中になってきているはずなのに、余裕がない人が増えている気がします。
余裕がなくなれば、ささいなことにイライラするようになります。
イライラが積もっている状態になると、家族との時間や趣味の時間など、楽しいことも楽しめなくなります。
そして、そのイライラは周りに悪影響を与えます。
繰り返しになりますが、怒りに振り回されることは人生の損失につながります。
イライラの解消方法について調べることも大切ですが、イライラしない方法に目を向けることも大切です。
怒りの感情をコントロールできるようになった生活を想像してみてください。
毎日笑顔で生活をしているはずです。
怒りをコントロールできるようには、以下のような思考を捨てる必要があります。
・相手が悪い、相手を変えなければならない
・自分を怒らせる相手のために、何かしてやる必要はない
他人を変えることは非常に難しく、自分を変えるほうがはるかに簡単だということを忘れないでください。
怒りのコントロールに関心がある人は、自分自身か周りの人にアンガーマネジメントの必要性を感じているのではないでしょうか。
怒りの感情に危機感がある人は、アンガーマネジメントの勉強をオススメします。